13話  大草の焦り  作者べりやん

 










ガチャッ









戸を開けるとさつきが布団に丸まって寝ていた。










さつき母「ちょっと熱っぽくてね〜まぁこの調子なら明日には治ってると思うわ」











さつきの母はそう言うと気を利かせてくれたのか部屋から出て行った。







3人は、しばしさつきの様子を見た。












真中(さつき・・。大丈夫かな・・?熱どれくらいあるんだろ?)








真中がさつきを見つめていると綾が動いた。












綾「北大路さん、大丈夫?」









さつき「・・う・・う〜ん・・ふぁ〜 


                    んにゃ〜?誰〜?ふわぁ〜・・」










真中「さつき、大丈夫か?」







真中の呼びかけにやっとさつきが目を覚ました。










さつき「!?えっ!東城さん!まっ真中も、ついでに天地も!?なんでここに?」






天地「僕は、ついでかよ!」






真中「さつきが心配でお見舞いに来たんだよ。っで大丈夫なのか?」






さつき「えっ!えぇ・・大丈夫よ・・」










さつき(なんか大変なことになってる?あたしは、ただ眠たかったから休んだのに







                                           ・・・でも真中が心配してくれて嬉しいかも・・)














真中「そうか。そうならいいんだ。」




天地「それじゃあ、帰りましょうか!」




さつき「えっ!もう帰るの!」





天地「用事は、済みましたしね。さて、綾さん行きましょう。」





真中「ちょっ!ちょっと!俺も帰るよ!」





さつき(ガーン!!真中も帰っちゃうの〜))









そうして3人は、さつきの家を出た。










真中「あっそうだ・・・さつきこれやるよ」





さつき「・・?何これ?」




真中「・・昨日のお詫び!・・悪かったな突き飛ばして・・・」






さつき「真中・・」






胸の奥から熱いものが溢れ出してきた











さつき「ありがとう!」




真中「うわっ!バカ!こんなところで抱きつくな!」

























その頃、大草とつかさは───












つかさ「なんでついて来るの」




大草「だって俺と付き合ってるんだろ?」




つかさ「それは、淳平君の前だけでしょ!」




大草「そんなの1言も言ってないけど?」







つかさ「・・もういい!」











つかさが怒ってスタスタ歩いていると昨日の公園の前を通った。












つかさ(昨日ここで淳平君と・・・)










つかさの目線が急に優しくなった。








逆に大草は鋭くなった











大草「西野・・昨日ここで真中とキスしてただろ?」








つかさ「えっ!・・見てたの・・?」






大草「まぁな。俺ん家この近くだし、コンビニに行く時とかよく通るしな」







つかさ「・・だから何よ!あたしが淳平君にキスしたらいけないわけ?


                             これは、あたしが淳平君を振り向かせるゲームでしょ?





     早く淳平君が振り向いたらあんたと別れられるし・・




              あたしが何したってあたしの勝手でしょ!ほっといてよ!」












大草の目がつかさを睨んだ。








そして、つかさの手を持ち壁に押し倒した。








大草「このゲームは・・2つのシナリオがあるんだよ!


                 1つは、西野が真中を手に入れる・・。
 



    もう1つは、俺がお前を手に入れる!言っただろ?お前が好きだって・・。」










つかさ「・・悪いけどあたしは、淳平君が・・」








大草「わかってる・・。だから俺は、西野と付き合ってる間に絶対振り向かせる・・」









大草は、そう言うとつかさの手を離し抱きしめた。













つかさ「!?ちょっ!」









つかさは、振り払おうとしたがあまりにも大草の力が強く振りほどけなかった。









すると、そこにタイミング悪く















真中、綾、天地が現れた。










真中「!?」






綾「にっ西野さん・・!」







つかさは、真中に見られたくないという気持ちでいっぱいだった。











でも、力ではやっぱり大草に勝てなかった




















つかさ「お願い・・。離して・・。」










つかさの声を聞いた大草がハッとした。









つかさを離して見てみると泣いていた。










つかさは、そのまま大草を突き飛ばし走り去った










大草は、つかさの涙にひどく傷ついていた。












大草(・・そんなつもりじゃなかったのに・・!)












大草は、拳を握った。