21話   弱さ  作者べりやん

 










真中(・・・どうしよう・・・。何から切り出したらいいんだ・・・。




              俺が西野を連れてきたのに・・・・連れてこないほうがよかったのかな・・・)











真中は、なんだか悲しくなった。  










 









大草「・・っで何しに来たの・・?」






真中「えっ、えっと・・・」








言葉がつまる








真中「・・・ほっ・・・本当に付き合ってるのか・・?」







真中が大草の顔を覗うように聞く。






大草「あぁ・・。付き合ってるに決まってるだろ」





真中「本当に・・・お互い好きで・・?」





大草「・・・・・何が言いたいんだ?」












真中は、少し間をおいてから口をあけた。










真中「西野に・・何度聞いても・・・・大草のこと好きって言わない・・・」






大草「・・・それが?」




真中「それがって!」






大草「これは、俺と西野の問題だろ?なんで真中が入ってくるのさ?」









真中「それは・・俺は、西野の・・・」








大草「西野の何さ?」















真中(俺は、西野の・・・・?俺、西野のなんだろ・・・?)















真中が下を向き黙った。




すると




つかさがタオルを取り、大草の顔を見つめた。













つかさ「あたし・・・悪いけど大草君のこと・・・・」










その後の言葉がつまる










『好きじゃない・・・』










たったこれだけの言葉が喉にひっかかって出てこない











大草「真中・・悪いけど西野と2人になりたい・・」







真中「あっああ・・」








真中が立ち上がろうとすると、つかさが真中の服を掴んで離さない











真中「西野・・・・」









つかさ「(ボソッ)淳平君・・・行かないで・・・」








つかさの声が怯えてるように聞こえた・・・









真中「西野・・・」







真中は、つかさの怯えているような声を聞いて出て行くのをためらった。











大草「真中・・・」








真中は、大草の声にハッとした。









真中「西野・・・俺家の前で待ってるから・・・なっ?」






そう言うとつかさは、小さくうなずきそっと真中の服を離した。








そして、真中は出て行った









つかさと大草の間に再度沈黙があく・・・

























真中(はぁ〜・・・俺何も力になれないんだな・・・)







真中は、家の前に座り込んだ









      すると







目の前に突然さつきが現れた。






さつきは、真剣な顔をしていた。









真中「さつき?」




さつき「真中・・・聞いたの・・・?」





真中「何を?」




さつき「えっ?」







さつきの顔が驚きの顔に変わった。








真中「?」






さつき「あっ・・ならいいの!じゃっ、じゃあね!」







さつきは、慌てて帰って行った。











真中(?何だよ、さつきも大草も・・・わけわかんね―よ・・・・)













真中はオレンジ色の鮮やかな夕日を見つめた