40話   シュークリーム  作者べりやん

 














真中「・・・・・西野・・・・・俺・・・」







真中(俺・・・・・なんで・・・・・なんでいつも泣かせちゃうんだよ・・・!)








真中は、手を強く握り地面を見つめた。










つかさは、涙を2人に気付かせないようふき取った。







つかさ「もうっ!泣かせないでよね!」







つかさの顔は、笑顔に変わっていた。








その笑顔を見て、少しホッとしたがこんな返事でよかったのか悩んだ・・・・・。













つかさ「ちょっと待ってて!」






真中「えっ!?」






つかさは、走ってどこかに行ってしまった。














     タッタッタッタッタッタッ・・・・














           ガラッ














烈火「おぉ、つかさちゃんおかえり〜真中は?」





つかさ「もっかい行って来るね!」








つかさは、何かを持ち出し再度教室から出て行った。







烈火「なんかせわしないなぁ〜」














      タッタッタッタッタッタッ・・・・















真中と大草の間では、何かきまずい空気が流れていた。








真中(西野〜!早く帰ってきてくれ〜!!)








    タッタッ












つかさ「おまたせ!ハァハァ・・・・」







真中「おっおかえり、どこ行ってたの?」







つかさ「ちょっと物を取りにね。・・・・・大草君」


   



つかさは、大草の前に移動した。







大草は、何も言わずただ立っていた。









つかさ「あの・・・コレ・・・」









つかさは、何か可愛らしい箱を大草に渡すと




大草が静かに箱を受け取りつかさがそっと箱を開けた。






















中身は、シュークリームだった。












つかさ「昨日作ったの・・・・・あたし・・・今日言うつもりだったんだ・・・
        
     




         大草君・・・・・本当にごめんね・・・・・・・ゲームなんてしなきゃよかったね・・・・・」














つかさの目に涙が溢れていた。











つかさは、涙を見られないように下を向いていた。












ゲームをやったことで逆に大草を苦しめた・・・









     あたしの身勝手な発言で









                      どれだけ大草君を傷つけただろう────









        そう考えると










              涙が溢れないわけなかった・・・・・



















大草「西野・・・・・泣くなよ・・・・」








大草が優しくつぶやいた。









大草「西野・・・・ありがとう・・・・ほんの少しだったけど・・・




                   俺は、西野と付き合えて本当に幸せだったよ・・・・









   俺じゃあ、幸せに出来ないこと位わかっていた・・・・



           でも・・・・ほんの少しだけでも時間を共有したかったんだ・・・





 
   だから、泣くなよ・・・・西野は、悪くないさ・・・・



              提案した俺が悪いんだ・・・・今までありがとな












      このシュークリーム・・・・大事に食うよ・・・ありがとう」










大草が行こうとする時、真中の横に立ち











大草「真中・・・・・お前、早くはっきりさせろよ・・・




      西野今は、笑顔だけど・・・少しくらいショック受けてるはずだぜ・・・・」
















真中「あぁ・・・・・悪いと思ってる・・・・




        でも、今の俺には、これ以上の返事ができないんだ・・・」









大草「真中・・・・・辛いのは、わかる・・・・でも、もっと




          辛いのは、彼女たちだぞ・・・・そこらへんわかってやれよ」













そっと微笑み大草は、グランドに帰って行った














真中(・・・・・・・そうだよな・・・・・早く決めなきゃ・・・




         誰を選んだとしても・・・・辛いのは、変わりないんだよな・・・・)













つかさ「淳平君」







真中「(ドキッ)えっ、なに」










真中の頭の中にさっきの涙が浮かんだ










真中(俺・・・・・謝らなきゃ・・・・)







真中「にし・・・・」











つかさ「あたしね・・・・淳平君の返事聞いて・・・なんかおかしいけど、ショック受けた反面嬉しかったよ」









つかさは、自動販売機にもたれかかった。











つかさ「あたしのこと好きって言ってくれたのは、すごく嬉しかった・・・







               でも、それをまだはっきり言えないってことは






       やっぱり、まだちゃんとあの2人が淳平君の心に住み着いてるってこと・・・でしょ?」













つかさは、真中の目を見つめた。






真中は、目をそらせられなかった。










つかさ「・・・・・・それ聞いたときは、悲しかった・・・・





              ねぇ、淳平君。他の2人にも『好き』って言った?」










真中「イヤ・・・まだだけど・・・」









つかさ「そっか、それならあたしが一番淳平君の心に住み着いてるんじゃん」










つかさは、ニカッといつものように笑った












真中は、さっきの告白の緊張が今、でてきて顔が真っ赤になってしまった。










つかさ「何真っ赤になってるのよ!あたしまで照れるじゃん!」





真中「あっ、ごめ・・・」









真中は、つい顔を隠した。







ふと、さっき考えてたことが頭に浮かんだ。













真中「西野・・・・・ごめんな・・・俺・・・泣かせたりして・・・」







西野「もぅ!せっかく明るくいこうとしてるんだから笑顔笑顔!!」








真中は、ぎこちない笑顔で笑った。









つかさ「それじゃあ、戻りますか」





真中「あぁ・・・そうだな、皆待ってるし、戻るか」





















天気は、晴天。









     雲ひとつない空













まるで、つかさの心を表しているようだった。
 

 






もう迷うことはない────