53話 怖い 作者べりやん 天地「綾さん!」 天地は、綾を追いかけていた。 天地「綾さん待ってください!」 綾は、立ち止まり振り向いた。 綾「天地君もジュース買いに行く?」 綾の声は、明るかった。 しかし 目から流れ出る涙が綾の気持ちを表していた。 天地「綾さん・・・・・」 綾「あれ?おかしいな・・・・別に悲しくなんかないのに」 天地「綾さん、無理・・・・・・しなくていいんですよ」 その言葉で綾の中の何かがプツンッと弾けた。 綾「ひっ・・・・ひっく・・・」 綾の体はその場に崩れ落ちた。 綾「あたし・・・・・真中君が好きだった・・・・ でも・・・・・あんなに・・・あんなに想い合ってる2人を・・・・ 壊すことが出来なかった・・・・・好きだから・・・・・ 好きだから幸せになってほしかった・・・・! 好きだから・・・・・・好きだから・・・・・!!」 そう言いながら泣く綾を見て天地は何も言えなかった。 ただ 傍にかけよることしかできなかった 抱きしめたかった。 でも、まだ綾の心の中には真中が確実にいる。 抱きしめられなかった 真中に憎さも感じた。 でも、それ以上に 綾への気持ちが増した。 幸せにしてあげたい 初めて思った気持ちだった。 真中「はぁ〜・・・・・」 真中は、まだそこから立てずにいた。 真中(ついに・・・西野にちゃんと言うんだ・・・・・ 俺の・・・・・今の気持ちを・・・! でも、正直言って・・・・ 怖い また、前みたいに壊れないだろうか・・・? 失いたくない・・・・・!!!! だから・・・・だから触れるのが怖い・・・・・・ 想いを伝えるのも・・・・・ 今の関係を壊したくない・・・・ でも、今の関係がずっと続くわけでもないし・・・・ 俺が西野を守ってあげたい。 この気持ちは、確かなんだけどな〜・・・・・ はぁ〜・・・なんで俺こんなんなんだろう・・・・・・・・・ なんでこんなに怖がってるんだ・・・? 確かに怖いけど・・・ 進まなきゃ 前に・・・前に進まないといけない。 ・・・・・・・・・・よし!) 真中は、ゆっくりと立ち上がりつかさの元へ向かうことにした。 真中「あれ?」 しかし、周りを見渡してもつかさはいなかった。 真中がキョロキョロしていると 烈火「ん?真中どしたんや?」 真中「あ、あのさ、西野知らない?」 烈火「つかさちゃんか?さっき天地と話してたんは見たんやけどな〜」 真中「そうか・・・・・」 烈火「あっ!!!そういえば向こうの方歩いていってたで!」 真中「まじで!それじゃあ、ちょっと行って来るな」 烈火は、真中の思いのふっきれたような表情を見て悟った。 烈火「おう!真中、頑張りや!幸運を願っとくわ!!」 真中「へへ、サンキュー」 真中は、すでに走り始めていた。 早く思いを打ち明けたい・・・・ その一心でつかさの元へ向かった。