53話 不安 作者べりやん つかさは、1人とぼとぼ鴨川に沿って歩いていた。 つかさ(淳平君・・・・東城さんと何話してたんだろう・・・・なんか意味深な雰囲気だったな・・・) つかさの目にほんの少しだけど涙が見えた。 つかさ(あぁ〜〜〜!!!もうっ!気にしてもしょうがないじゃない! あたしは淳平君が好き。 それは、何があっても変わらないんだから・・・・) そう自分に言い聞かせ涙を隠した。 つかさ「ん?」 つかさは、あたりを見渡した。 つかさ(なんか今、あたしを呼ぶ声が聞こえたような・・・・・ まぁ、気のせいだよね。なんかあったら携帯に電話来るし) 「・・・・し・・・・ぉ・・・・・・!」 つかさ「あれ、また・・・・」 つかさは、すぐにピンっときた。 つかさ(これ・・・・淳平君の声・・・?) だんだん大きくなってきてる声。 近づいてくるのが感じられた。 後ろの方をじっと見つめる だんだん姿が見えてきた。 しかし、その姿を見て つかさは、なぜか隠れてしまった。 つかさ(なんで隠れてるんだろ・・・・ でも・・・・・ 今淳平君に会って 笑顔を見せる自信がない・・) つかさは、真中が通り過ぎるのをじっと待った。 ハァ・・・・・ハァ・・・・・ 真中(西野・・・・どこだ・・・?どこにいるんだよ?) 真中がつかさの横を通り過ぎようとした時、 〜〜〜〜〜〜♪ 真中は、立ち止った。 真中(これ・・・・・・西野の着メロ・・・・?) つかさと同じ着メロの人は、たくさんいるはず でも、真中は音の聞こえる方に向かった。 必ずしもつかさの着メロとは、決まってない。 ただなんとなく西野がいるのではないか?そう感じた。 つかさ(!!?ちょっ!なんで鳴り出すの!?) つかさは、電話を切ったら音が止まるのに パニックに陥っていてため必死に胸に携帯を当て音を聞こえないようにしていた。 しかし、もう遅かった。 真中「ハァ・・・・・西野?」 振り向くと真中が立っていた。 西野「あっ・・・・」 真中「ハァ・・・ハァ・・・何してんの?」 西野「・・・・別になにもしてないよ」 西野は、立ち上がリいつものように言い返した。 でも、 決して顔を真中の方に向けなかった。 真中「そうか、・・ハァ・・・・」 真中は、とりあえず息を落ちつかせた。 つかさは、必死に笑顔を作ろうと努力をしていた。 つかさ(笑わなきゃ、笑わなきゃ・・・ 不安な顔しちゃダメ。いつものような・・・・・笑顔で・・・) 真中「西野」 つかさ「(ドキッ)何?」 真中「あの・・・・さぁ・・・」 つかさ「?」 真中「大事な・・・大事な話があるんだけど」 西野「えっ・・・なんの話?」 真中「西野、こっち向いてくれないか?」 つかさは、真中に背中を向けたままだった。 西野「・・・このままじゃだめ?」 真中「ちゃんと俺の目を見て欲しい・・・・」 真中は、そう言うとつかさの腕をそっと掴みつかさと目を合わせた。 その瞬間 つかさの脳裏にさっきの真中と綾の光景が流れ込んできた。 つかさ(もしかして・・・・東城さんとなんかあったの・・・?その話をするの?) つかさの頭の中は、不安しかよぎらなかった。 真中の真剣な目を見ていっそう不安になる・・・ 真中「?西野?」 つかさ「・・・・イヤ・・・・・聞きたくない・・・」 つかさは、そう言うと真中の手を振り払い真中から逃げるように走った。 真中「へ?」 真中はただ呆然としていた。 真中(・・・なんで聞きたくないんだよ・・? 西野もしかして勘違いしてる・・・? それとも・・・・俺の想いを聞きたくないのか? ・・・・・・・・・・・ ええぃ!!!悩んでてもしょうがない! とりあえず、今は西野を追いかけよう) 真中は、つかさの後を追った。