55話   名前  作者べりやん

 















ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・・












つかさは、どこに走ってるのかもわからずひたすら走った。













ふっと後ろを振り向くと










真中が追いかけていた。













つかさ(なんで・・・なんで追いかけてくるの?そんなに言いたいの?そんなに・・・・・)












つかさのスピードが増した。


















ハァ・・・・ハァ・・・・・









真中(西野!待ってくれよ!なんで・・・なんで逃げるんだよ!!)























つかさが真中をなんとか振り切り曲がり角を曲がろうとした時、














ドンッ!













つかさ「きゃっ!」













ばたっ















不良A「いったいね〜何してくれんねん!!」








つかさ「ハァ・・・ハァ・・・ごっ、・・ごめんなさい!・・・ハァ・・」








不良B「おっ!こいつめっちゃ可愛いで!」






不良A「おっ、ホンマや。おい姉ちゃんちょっと着いてきてもらおか」






つかさ「えっ!?なんであたしが・・・」







不良A「あぁ?ぶつかっといてその態度かい。姉ちゃんが悪いねんで?詫びいれてもらおか」












不良は、そういうとつかさの腕を引っ張り連れて行こうとした。











つかさは、全速力で走ってすでに疲れ果てて抵抗する力がなかった。












つかさ「ちょっ!誰か!!・・・・・














                                       淳平君!!!」













とっさに出た名前。













つかさ(助けて・・・・・助けて淳平君・・・!)

















真中「おい!!何してるんだよ!」










想いは、通じた。












つかさ「淳平君・・・・・」











息を切らしながら近づいてくる真中、







つかさ(そんなに必死で探してくれたの?なんで・・・なんでそこまでしてくれるの・・・?)













不良B「あぁ?なんやねん?」






真中「おい!手離せよ!」





不良A「はぁ?なんでお前に指図されなアカンねん」





真中「いいから離せよ!」












真中は、『つかさを守りたい』この気持ちでいっぱいだった。









恐怖というものもあったが







半泣きのつかさを見ると恐怖も消えた。












不良A「何が離せやオラァ!!」








ボコッ!!







相手の鉄拳が真中の頬に当たった。










つかさ「!?淳平君!!」









真中は、倒れる寸前で踏ん張りフラフラしながら体勢を立て直した。












そして、つかさの腕にかかってる相手の手をはずし















真中「西野!走れ!!」












つかさは、一瞬戸惑ったが真中の必死な顔を見て走った。














不良B「あぁ!?待てやオラァ!!」






真中「行かせるもんか!!」









そう言い不良の前に立ちふさがった。










足がふら付いていた。


















不良A「こいつうざいな〜おい!こいつ殴ってから行くぞ」




不良B「おぉ、最近ストレスたまってるしちょうどええわ」


















ボコッ!・・・・・・バキッ!














        ボコッ!・・・・・バシッ!バキッ!・・・・・























不良A「ハァ・・ハァ・・・・」




不良B「ハァ・・・なんやこいつ・・・しつこいぞ・・」









真中はボコボコになりながら不良の足にからみついていた。










不良A「いい加減離せや!!」







ガスッ!











不良B「おい!これ以上殴ったらこいつ死ぬんちゃうけ・・?」






不良A「アホか!これぐらいで死ぬわけないやろ!オラァ!はよ離せや!」










いくら殴っても蹴っても離さない真中にイラツキを感じていた。











不良B「おい!もうやめようや!あの女の子もどこ行ったかわからんし


            もう、殴ってもしゃーないやん!なっ?ここらへんでやめとこうや」









不良A「・・・・・・クソッ!こいつのせいでさっきの姉ちゃん逃げて・・・・」









不良Aは、真中のえりを掴み上げた。








不良A「これで最後や!!」










バキッ!!!











ふっ飛んだ真中の先には


















電信棒があった。












不良B「ちょっ!?危なっ!」










ゴンッ!!!


























真中の頭からは














赤い血がゆっくりと流れ出ていた。