58話   ここは・・・  作者べりやん

 
















「ん・・・・」











真中は、ふと目覚めた。













「・・・・・・ここどこだ・・・?」











周りを見渡すと何もない。








真っ白の世界。










「そうだ・・・・・・俺不良に殴られて・・・・・・」









真中は、ここがどこなのかを理解した。










「そか・・・・・ここがあの世ってとこか・・・・・なんか思ってたのと違うな・・・」













真中はゴロンとその場に寝転がった。












(俺・・・・・・・死んだのか・・・・






          まだ、17歳だろ?17年しか生きられなかったのか・・・・・







  でも・・・・・・西野を守ることが出来てよかったかな・・・・)










  

真中は、そう自分に言い聞かせた。














でも、涙は言うことを聞かなかった











ボロボロと流れ出てくる涙。










胸の奥からいろんな思いが溢れてくる・・・・・・・・














「く・・・・・ひっ・・・・・西野・・・・・・!」










(まだ死にたくない・・・・・・・!
  




    だって俺・・・・・・まだ西野に・・・・
  







               ちゃんと『好き』って言ってないじゃないか・・・!








     せっかく東城にもちゃんと話してこれからだってときに・・・・・・!!
  








                        いやだ・・・・まだ生きていたい・・・・!










               西野と一緒にいたい・・・!)






















「・・・・・・・・・・













                 西野・・・・・・・!!」



















その時、暖かい太陽のような光が射した。













まぶしくてよく見えないが、その中に誰かがいた。








真中は、涙を拭ってその光に向けて走り出した。














(もしかしたら・・・・・・戻れるかもしれない・・・!!)










その希望だけを信じ走った。










しかし、






その光は、だんだん小さくなっていく・・・・・・・・














「あっ!!」









ズデンッ!






何かにつまずいてこけてしまった。











「いってぇーー・・・・」











ちょっと顔を起こすと光は消えかけていた。












真中(・・・・・なんでだよ・・・・・・肝心な時にいつも・・・・・くそ!!)












真中がうつ伏せになって悔やんでいると
















「戻りたくないの?」








真中「え?」










すぐに顔をあげた。






光の中にいた誰かが話し掛けてくる。












わかることは、その誰かが女だってことだけ





真中は只呆然とする以外なかった。















「・・・・だから!戻りたくないのって聞いてるんだけど?





                      ・・・・・・・・ねぇ、無視?」












真中「え!?あっはい。」









「ちょっと大丈夫〜?頭打っておかしくなったとか?」







クスっと笑い、ちゃかすように言うその女。











真中「お、おかしくなんかなってねーよ。」




立ち上がりながら言う真中。









「本当かな〜?おっと、遊んでたらダメだな。っで戻りたいんだよね?」









真中「あぁ!戻りたい!」








「なんで戻りたいの?」






真中「・・・え!?」







「だーかーら。なんで?説明してくれないと困るんだけど」









真中「・・・・・想いを打ち明けたい人がいるんだ」






頬を赤めながら言う。












「へぇ〜、っで打ち明けてどうするわけ?振られたらどうするの?戻ってこない方がよかったなんて後悔しない?」











一気に質問されてたじたじする真中









「ねぇ、どうなの?」









真中「・・・・・・・・・しないよ」










「なんで言い切れるの?」









真中「振られても・・・・・・それで終わりじゃないだろ・・・・?





               気まずくなるかもしれないけど・・・・・






     いつか、必ずまた一緒に笑い会えると思うし・・・・





                      このまま戻れない方が俺にとっては辛いよ」










「そか・・・・んじゃあ戻ろうか」









真中「あぁ!」








「ほら!手貸して!早くしないと置いていくよ!」








真中「ちょっ、待って・・・」







その誰かと握手を交わす


















ふと、場面が真っ暗になった。