59話 さっきの・・・ 作者べりやん (・・・・・っつ・・・いてぇ・・・・・) 感じるのは、全身の痛み。 (ここどこだ・・・・?まさか地獄とか・・・・) 痛みに耐えながら目を少し開けた。 見えたのは、椅子に座りながら寝ている烈火。 (あ・・・・・俺・・・・戻れたんだ・・・) 嬉しさで涙が出てきそうになった。 ふと、右手にむくもりを感じた。 頑張って首を起こして見ると つかさが右手を握って眠っていた。 (もしかして・・・・・さっきの人・・・・・ 西野だったのか・・・?あの人と繋いだ手も右手だったし・・・) 泣いていたんだろうか、目の周りが少し腫れていた。 (西野・・・・・心配かけてゴメンな・・・・) 真中は、右手をギュッと握った。 すると つかさの体が飛び起きた。 真中「うおっ」 真中は驚いて手を離した。 つかさ「・・・・・淳平君・・・・?」 真中「えっ・・・・はい・・・」 つかさ「淳平君!!」 つかさは、真中に飛びついた。 真中(いっつ!) 全身に激痛が走る。 でも、つかさを見たらなぜか我慢できた。 その声に回りに寝ていた皆が反応した。 さつき「真中っ!」 唯「じゅんぺー!」 烈火「真中!平気か!?」 さつきと唯が涙ぐんで駆け寄ってくる。 真中「あぁ・・・大丈夫」 つかさは、なおも抱きついている。 真中の心臓は破裂しそうだった。 真中「えっと・・・・・にっ、西野・・・・?」 つかさ「・・・・・よかった・・・・」 真中「・・・・・・・・」 つかさ「・・・・・本当によかった・・・」 真中は、鼻の奥からツンッとこみ上げてくる涙を必死に抑えていた。 真中(ここで泣いたら・・・俺かっこ悪いことばっかじゃん・・・・) 落ち着いたのかつかさが真中から離れた。 つかさ「取り乱してごめんね、あたしちょっとトイレ行って来る」 つかさは、足早に出て行った。 さつき「真中、本当に大丈夫なの?」 真中「あぁ、まだ全身痛いけどな」 周りを見渡す。 真中「なぁ、他の皆は?」 さつき「あ゛」 真中「あ゛??」 さつき「連絡するの忘れてた・・・・・」 真中「オイオイ・・・・」 さつき「だって昨日忙しかったんだもん!ちゃんと寝ないとお肌荒れるし・・・」 真中「あはは・・・・」 さつき「ちょっと電話してくるね!」 烈火「いってらっしゃい、さてと真中担当医のところ行ってもっかい審査してもらいに行くで」 真中「あぁって・・・俺重症なの・・・・?」 烈火「んなわけないやろ、ただの脳震盪やったしな行くのは、目覚めた報告と体調はどうかって調べはるだけや」 唯「それ終わったらもう家帰れるんだよ」 真中「よし、んじゃあさっさと審査受けて映画のラスト撮りに行くか」 烈火「おっ、さすが監督さんやな。ほな行くで」 俺は痛い体を起こして車椅子に座り、病室を出た。