60話 区切り 作者べりやん 医師「───はい、異常はないみたいですね。退院しても大丈夫ですよ。体に気をつけてくださいね」 真中「はい。」 真中がそのまま出て行こうとしたとき 唯「こら、じゅんぺ〜ちゃんとお礼言わないといけないでしょ!」 真中「なっ、・・・・・ありがとうございました」 唯「それでよし!」 唯はにかっと笑った。 真中達は軽くお辞儀をして荷物を取りに病室に戻った。 さつき「ああ〜!いたいた!どこ行ってたの?」 さつきとつかさが部屋の中で待っていた。 唯「先生のところに報告だよ」 さつき「ふ〜ん。っで大丈夫だったわけ??」 真中「あぁ、異常ないってさ」 さつき「よし!んじゃあ、東城さんとか旅館で待ってるから早く帰ろ!」 そしてさっさとタクシーに乗って旅館に帰った。 タクシーの中では真中の隣につかさが座っていた。 真中は一言も話さなかった。 真中(うわぁ〜・・・・何か話した方がいいのかな・・・? なんか照れかなんかわからないけどちゃんと顔見れないんだよな〜・・・) チラッとつかさを見ると、少し開いた窓から入る風で 髪が綺麗になびいていた。 じっと見つめることが出来なくてすぐに視線をそらした。 真中(・・・・・こんなんでちゃんと西野に言えるのかな・・・・) 昨日はなくなっていた不安が少し戻りつつあった。 じっと外を見つめてる真中をつかさもそっと見つめていた。 15分ほど経ってやっと旅館に着くと、皆が玄関のところで迎えていた。 小宮山「おぉ〜〜い!大丈夫かぁ!?」 小宮山が泣いてこっちに向かって走って来る 真中(小宮山心配しててくれたんだな・・・・やっぱ持つべきものは友達だな) っと、関心してたら真中の横をスルッと通り抜け 小宮山「よかった〜つかさちゃんに何かあったらどうしようかと思ったよ!」 ズルッ 小宮山「ん?なんで真中こけてるんだ?」 真中「俺の心配は!?」 小宮山「あぁ、真中大丈夫か?」 真中「・・・・・・・ついでかよ」 その時、ひとつの視線を感じた。 綾だった。 何か言いたそうな顔でこっちを見つめていた。 その綾の視線が真っ直ぐで 真中はその視線を振りほどくことができなかった。 すると、もう一方からも視線を感じた。 つかさが寂しそうにこっちを見ていた。 しかし、真中がつかさの方を向くとすぐに視線を変えた。 真中(あっ、今の見られてた・・・・・?どうしよう・・・・西野勘違いしてたりして・・・) なんだかつかさがだんだん遠ざかっていくように感じた。 ショックそうな真中の顔を見て、綾もショックを受けた。 昨日のことは嘘じゃない─── あたしの恋は終ったんだ─── 想いを伝えられないまま・・・・・──── つらそうな綾を見て、そばにいた天地がそっと肩に手を置いた。 天地「無理しないで下さいね」 綾「・・・・・ありがとう」 天地の優しさが心に染みた。 でも、 どこかで真中と天地を比べてる自分がいた。 綾(早く区切りをつけないと・・・・) 外村「はいはい!とりあえず明日帰らなきゃいけねーんだからさっさとラストシーン撮り終えるぞー!」 さつき&唯「おぉーーー!!!」 そしてラストシーンを撮りに行った。