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64話   幸せに出来るとは思わない  作者べりやん

 



















一方真中は








真中「ふぅ~~・・・」







湯船に浸かっていた。






真中(はぁ~いい湯だな~やっぱ露天風呂はいいな~)





風呂に入り昨日の傷を癒す





風呂のすぐ横に鏡があり、真中は鏡の中の自分を見た。







真中(うわっ、目すげー腫れてるじゃん。口も切れてるし・・・・)







ボロボロな顔。




顔だけじゃない、体だってあざだらけだ。









真中(一人で風呂入ってよかった~あんま見られたくないし・・・・・)









ガラッ







戸が開く







真中はその先を見る




















天地だった。














無言で入ってくる天地










そして無言のまま湯に浸かる
















「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
















真中は体のあざをあまり見られたくないため天地から遠ざかる













天地「真中」








真中「は、はい?」








突然名前を言われて驚く










天地「・・・・・・お前、綾さんが好きだったんじゃなかったのか?」







真中「!?」








唐突な質問。






天地の顔は今までに見たことないくらい真剣だ















天地「好きだから、傍にいたんだろ?」






真中「・・・・・・・・・・・」







天地「なんでお前は綾さんの傍にいた?真中答えろ」








真中「・・・・・好き・・・だったから・・・・・・でも、今は俺・・・」







天地「ならなぜ綾さんを泣かせた!!」







言いかけの言葉を無視して天地は言った。










真中「!?な、泣かせた!?」





天地「そーだ!昨日綾さん泣いてたぞ!」







真中「俺に泣かせた覚えはない!」






天地「嘘をつけ!」







今にでも真中に飛び掛りそうな天地










真中「本当だ!昨日は東城に俺の好きな人を言ったくらいで・・・・」






天地は一息おいた







天地「お前馬鹿か?それが原因で綾さんは泣いたんだ」







真中「!?な・・・・なんで・・・」








天地「・・・・・綾さんには申し訳ないが全てを言わせてもらう」







真中「ゴクッ・・・」












天地「綾さんはずっとお前のことが好きだったんだ」






真中「!?東城が・・・・!?」











ちょっとは自分に気があるんじゃないかとは思っていた。






でも、はっきりわかっていたわけじゃなく






今、天地に言われて頭が真っ白になった。












天地「だから・・・だから昨日お前に本当に好きな人を言われて泣いてたんだ」







真中「・・・・・・・・・・・・・」







真中(知らないうちに東城を傷付けてた・・・・・?)








天地「真中」






真中「は、はい・・・・」









天地「綾さんは僕が幸せにする。」








真っ直ぐな天地の目






真中は何も言えなくなった。











天地は湯船から出て、出て行こうと戸に手をかけた時








天地「おっと、言い残したことがあった。」





真中「・・・?」








天地「お前が誰を好きでもかまわないが









       レディを泣かせてばかいるお前にレディを幸せに出来るとは僕は思わんがな」














  ガラッ






      
             ガチャッ





















───『レディを泣かせてばかいるお前にレディを幸せに出来るとは僕は思わんがな』─────














真中の胸に鋭く突き刺さる。












真中「・・・・・・・・東城・・・・・」










真中の心の中では綾への申し訳ない気持ちでいっぱいだった








ふと昨日の笑顔を思い出す










『あたしちょっと喉渇いたからジュース買ってくるね』













あの言葉をどんな気持ちで言ったのだろうか?








どんなに苦しかったのだろうか・・・・・・?







確かにいつかは必ずつかさが好きだとは言わなきゃいけなかった。







でも、あんな言い方なんかでよかったのか?






もっと綾を想った言い方があったんじゃないのか?








謝らなきゃいけなかったんじゃないのか?────















真中は湯船の中で拳を握った。