66話 誰のことを? 作者べりやん 何も言えない真中 つかさ「どうしたの?」 真中「あ、え、あ・・・・・いや」 つかさ「もぉ〜ちゃんと日本語話してよね!」 真中「す、すみません・・・」 『まぁ、淳平君が心配ってこともあったんだけどね』 この言葉で真中の期待が高まる つかさ「淳平君、怪我大丈夫?」 真中「ああ!全然大丈夫だよ!」 つかさ「本当?」 真中「本当本当!!」 つかさに心配かけまいと元気に返事をする真中 その顔を見てつかさは逆に切なくなった。 つかさ「ごめんね淳平君・・・・」 真中「?何謝って・・・」 つかさ「だってさ、あたしのせいで怪我したんでしょ?」 真中「別に西野のせいじゃ・・・・!」 つかさ「ううん。あたしのせいだよ。 あたしがあの人たちにぶつからなかったら淳平君は怪我してなかっただろ?」 真中「・・・・・・・・・・・・・・・」 返す言葉がなくなり黙り込んでしまった。 つかさ「ね?だから・・・・・ごめんね」 真中「謝らなくていいよ!それに・・・俺西野のこと守れてなかったし・・・・」 つかさ「淳平君は守ってくれたよ」 つかさは真中の目をちゃんと見て言った。 真中「守れてなんかないよ・・・だって俺ボロボロでさ。最後皆に迷惑かけて・・・・かっこわるいよな」 真中は情けなく笑いながら言った。 つかさ「そんなことないよ!周りに皆がどう思ってたかわからないけどさ あたしには、かっこよく見えたよ?」 ドクンッ 真中「い、いいよ西野。そんな嘘つかないで・・・」 つかさ「嘘じゃない!あたしにはかっこよく見えた!」 ドクンッ 真っ直ぐなつかさの視線にドキドキする 真中「あ、ありがと。」 お礼を言うもののつかさの顔をちゃんと見れなかった。 つかさ「お礼なんかいらない。あたしがお礼言わなきゃいけないくらいなんだから」 真中「あはははは・・・・・」 ふと、思い出した。 綾のことを 真中(俺・・・・・今、東城のこと忘れてた・・・・ さっきまで悩んでたのに今は笑顔で笑ってる・・・・ やっぱり・・・・西野といるから・・・・?) 真中が考え事をしているのに勘がいいつかさはすぐに気がついた。 つかさ「今誰のこと考えてたの?」 真中「え?」 ついギクッとした顔をしてしまった。 つかさ「・・・・・東城さんのことでしょ?」 真中「!?」 つかさ「その顔はそーだな〜」 真中(に、西野勘いいよな〜・・・・ って納得してどうする!ここでまた西野を不安にさせたらだめだ!) 真中「違うよ!俺が考えたのは・・・・・・」 つかさ「無理しなくていいよ。東城さんのこと考えてたんでしょ?」 真中の顔を見つめるのが辛くなったのかつかさはうつむいた。 真中「違う!それに俺・・・・東城とは・・・・・なんでもないんだから・・・」 その言葉に素早く反応するつかさ 真中「だから、俺東城とはなんでもないんだ!東城は天地とだし・・・・」 つかさ「・・・・本当になんでもないの?」 真中「ああ!!本当だよ!」 つかさにわかってもらいたくて大声を出してしまった真中 つかさが目を大きくして見ている 少しの間、会話が止まった。 まるでお互いの気持ちを悟ったかのように──── つかさの口が開く つかさ「じゃぁ・・・・・今誰のこと考えてたのか教えてくれる・・・・?」