72話 一緒に・・・ 作者べりやん 空を見上げる きらきらと光る星を見つめながら、一歩ずつ2人足を進めていく つかさ「ねぇ。どこで見るの?」 真中「そーだな〜」 周りを見渡すともう、人がたくさん居て身動きが出来ない 真中(ん〜・・・・・もっと早めに来るべきだったかな〜?) 少々頭をかしげる 「お〜い!」 真中「ん?」 ドンッ! 真中「どわぁ!!!」 唯「こらぁ〜!何西野さんと手つないでるのだ!」 真中「ゆ、唯!?」 唯「西野さんの手が汚れるでしょ〜?」 真中「な、俺の手はそんな汚くねーよ!小宮山とかと一緒にすんな!」 小宮山「真中。それはどういう意味だ?」 真中「うっ・・・・・いたのか・・・」 唯「とーもーかーく!外村さんがいいとこ見つけてくれたんだ〜だからそこで見ようよ。ね?」 つかさの腕をつかみおねだりする唯 つかさ「う〜ん。そうだね、皆で見ようか」 唯「やった〜!じゃ、こっちだよ!早く早く!!」 つかさ「あはは。慌てなくても大丈夫だよ」 つかさは唯に手をひかれ行ってしまった 真中(おっ・・・・・・俺の告白がぁ〜・・・・・・) 唯「じゅんぺー?早くしないと置いてくよ!」 真中「はいはい・・・・・」 肩をガクリと落として歩いていった 外村「お、おーい!こっちこっち!」 つかさ「ここがその場所?」 唯「うん!すごく綺麗に見えるらしいよ!」 つかさ「らしいって・・・・誰から聞いたの?」 唯「外村さんがさつきちゃんから聞いたみたい!」 さつき「ここ綺麗に見えるよ〜!ってそこらへんの人に聞いたよ」 つかさ(・・・・・・大丈夫かな・・・・?) ちょっと笑顔がひきつるつかさであった 真中「はぁ〜」 真中はそこらへんに座り込んでいた 烈火「ため息なんてついてどないしたんや?」 真中「・・・・・烈火」 ギロッと睨みつける 烈火「あうっ・・・そ、そんな目で俺を見るなや〜・・・」 真中「ったく・・・・お前がしっかりしてくれてさえいれば・・・」 烈火「まぁまぁ!過ぎたことを言ってもしゃーないやろ?今を楽しめ!」 真中「・・・・・・・・・・」 呆れた顔で烈火を見つめる真中であった 唯「おーい!そろそろ花火始まるよ!」 唯の元へ皆集まる 土手に座る真中 じっと空を見つめる つかさ「淳平君」 そう名前を呼んで、真中の横に座った 真中「結局皆集まっちゃったな〜」 つかさ「そうだね〜まぁ、にぎやかだからいいじゃん」 真中「まぁ・・・・・・ね」 少し不満そうな真中につかさが少しからかい気味に訊く つかさ「もしかしてあたしと2人だけで見たかった?」 真中「え、ええ!?」 率直に聞かれて顔を赤くする真中 その反応を見て笑うつかさ つかさ「あははは!淳平君顔真っ赤だよ〜」 真中「え、だ、だって・・・」 つかさ「あははは」 真中(・・・か、かわいいな・・・) やっぱりつかさには笑顔が一番似合うと思った つかさ「でも、あたしはね」 真中「ん?」 つかさ「あたしは───」 烈火「花火始まんで〜!」 ヒュルヒュルヒュル・・・ つかさ「一緒に────」 ドーーーーーーン つかさ「───ったかったかな」 真中「え?なんて??」 花火の音でちょうど聞こえなかった つかさ「・・・教えてあげなーい」 べ〜っと舌を出すつかさ 真中「な、何言ったの?」 真中(一緒に・・・・・何?) 期待が溢れる 唯「あ!東城さん!」 ビクッ 心臓の動きが一瞬早まった それをつかさが見過ごすわけがない つかさ「よいしょっ」 つかさは立ち上がって唯の元へ行ってしまった 真中(に、西野・・・・はぁ〜・・・・俺ってダメな奴・・・・) ヒュルルルル・・・・ ドーーーン 綺麗な花火が今の真中にはなぜか切なく見えた 真中(・・・・俺達・・このまま遠ざかっていくのかな? 嫌だ・・・だって・・・だって俺は西野のことが好きなんだから・・・!! なのに・・・なんで東城の名前に反応すんだよ・・・ 俺って・・・・ほんと馬鹿・・・・) 深くため息をつく 「そんな大きいため息ついてたら幸せが逃げていくよ」 真中「ん?なんだよ・・・」 パッと後ろを振り向く 真中「と、東城・・・!?」 綾「こんばんわ」 真中「あ、こ、こんばんわ・・・」 綾は挨拶をすると隣に座った