9話   ゲーム  作者べりやん

 










真中「さつき・・・・。」








さつきは、近づいてきて何も言わず真中に抱きついた。









真中「さっ・・!」
 






さつき「・・何も言わないで・・・」









真中は、さつきの弱弱しい声を聞くと本能的にソッと軽く抱きしめた。













ドキドキ・・・











真中の心臓が早くなる。










しばしの時間、2人は抱きしめあった。










さつきの口が開いた。








さつき「真中・・西野さんのことどう思ってるの?」







突然の質問にすぐに返事を返せないでいる真中をさつきの視線が締め付ける










真中「・・・西野は・・」









そこで止まってしまった。














その10分前───










つかさは、既に家に帰って買物に出かけていた。









(はぁ〜・・あたしどうしたんだろ・・?なんか最近おかしいな〜・・・








                                               淳平君と・・会ってから・・)













つかさは、淳平への気持ちをまだ確信したくなかった。












すると、真中とさつきが抱きしめあってるのを見つけた。











(えっ!?なんで・・?)









つかさは、つい身を潜め2人を見つめていた。








(なんであたしこんなこと・・・







                       でも・・ほっとけない・・・・)
   























さつき「・・ねぇ?・・・答えて・・」








さつきが更に強く真中を抱きしめる。








真中はさつきの肩をもち、自分から突き放した。









真中は、さつきの目を見て辛そうに言った。









真中「・・俺は・・はっきり言って・・












                          まだ、西野が好きだ・・」












つかさ(・・・・・・え?)















真中「でも・・西野は・・俺のこと・・友達としてしか見てないかもしれない






                    1度別れたし・・又、好きだって言うの信用されないかもしんない・・







    でも・・







                   でも俺は!・・俺は西野が好きなんだ・・」













さつき「西野さんが一番好きなの・・・?」









真中「いや・・・・まだわからない・・・・・」













さつき「・・・・・そっか・・・・なら、あたしがそこから飛び出したらいいんだよね」











さつきは、笑顔を装っていたが







真中からは悲しい表情に見えた・・・・













さつき「じゃあね・・・・・」








さつきは、真中の顔を見ずに走って行った。













真中(さつき・・・・ゴメンな・・でも、俺・・本当に3人とも好きなんだ・・)











真中は、家に向かった。















つかさは、そこに立ったままだった











(淳平君がまだあたしのこと・・・・






              あたし・・好きになっていいの?













           また、あの頃みたいに────)
















つかさは、買物の続きに行こうとすると












つかさの目の前に
























大草が切なそうに立っていた・・

















つかさ「・・大草君・・?」
















大草は、つかさに近寄り急に抱きしめた。



















つかさ「!!!?ちょっ!ちょっと!!」










    ドンッ!










つかさが大草を突き飛ばした。










つかさ「いきなりなにすんのよ!」









つかさが目くじらを立て怒ると














大草「俺・・中学の時から・・西野が好きだったんだ」


















当然の告白。















つかさは、驚いてその場から動けなかった。








大草がそれを見てつかさに近づき









キスをしよう顔に触れた。

















          バチンッ!!















鈍い音が響く








つかさが大草をビンタした。










つかさ「なんなのよ!いきなりキスしようとして!!」










つかさは、混乱していた。

















大草「・・・まだ真中が好きなんだろ?」












つかさ「・・・だったら何よ!」










大草は、少し悲しい目をした後いつも通りに戻り少し笑いながら言った。




















大草「俺とゲームをしないか?」












つかさ「・・・・ゲーム?」








大草「俺と西野が付き合って真中がどうするか反応を見るゲーム。






     ルールは簡単・・
   







        まぁ、仮に俺と付き合うだろ?俺と付き合ってるのに





             西野は、真中にアプローチする・・
   






       俺と付き合っているのに真中が西野のことが好きなら





                                 ゲームクリア。









      真中が他の子と結ばれたら、ゲームオーバー








               そのまま俺と付き合ってもいいしイヤなら別れてもいい









                                             ・・やる?」

















つかさ「・・・・・・」














大草「返事がないってことは、イヤではないんだよね?それとも、怖い?」








大草が挑発するように笑う











つかさ「(ムッ)いいわよ!やってやるわよ!」







大草「決定だな・・おっと真中にはこのゲームのこと内緒だからなじゃあな西野」














大草は、去って行った。









つかさは、少しやっぱり辞めたらよかった・・。






っと悔やんでいた。
















次の日の昼休み・・・・













真中が大草に呼び出された。